映画に感謝を捧ぐ! 「バッド・トリップ 100万個のエクスタシーを密輸した男」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はケヴィン・アッシュ監督の

 「バッド・トリップ 100万個のエクスタシーを密輸した男」に感謝を捧げようと思います。

バッド・トリップ 100万個のエクスタシーを密輸した男 [DVD]
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 ドラッグ密売組織の一員となった男「サム・ゴールド」の生涯を

 もとにして作られた本作は

 教材風味に満ちあふれた実話系犯罪映画であります。

 ユダヤ系日常劇、極道映画、青春映画の香りを融合させた

 ストーリー&演出が穏健且つ効率的に進行する光景は

 私に「殺人に依存しない組織犯罪描写」と

 「ユダヤ文化&ドラッグ・ビジネス事情」を映画的に

 表現する手法の一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (主演男優J・アイゼンバーグの放つ「繊細さ+胡散臭さ」と

 「壮絶な部分を台詞で説明した後、ホームドラマ風味へと向かう」

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「ユダヤ文化&ドラック・ビジネス史入門」の

 一翼を担う作品であると言えるでしょう。

 教科書的且つ淡々と進む物語&映像が

 「宗教系コミュニティー」に潜む危険要素と

 組織犯罪との出会いがもたらす「人生&人格崩壊」の

 恐怖をえぐり出す本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。