映画に感謝を捧ぐ! 「結婚の夜」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はキング・ヴィダー監督の「結婚の夜」に
感謝を捧げようと思います。
帰郷した作家「トニー・バレット」と
彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は
軽快でありながらも渋味の利いた恋愛映画であります。
異文化交流、愛憎劇、作家論を融合させる事によって
生を受けたストーリー&演出、キャラクター造形が
効率的且つ上品に進行する光景は
私に「都会文化と地方文化のせめぎ合い」と
「大衆娯楽性と文学性の共存」の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(悲劇性・メッセージ性・癒し性が静かに交錯する
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「芸術論+文化論入り恋愛劇」の雄と呼ぶに
ふさわしい作品であると言えるでしょう。
恋愛劇+日常劇の形態を取りながら
作家性と大衆性の交わりがもたらす軋轢と
不遇の人生に埋もれた男の再生を写し出す本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。