映画に感謝を捧ぐ! 「サークル・オブ・フレンズ」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はパット・オコナー監督の
「サークル・オブ・フレンズ」に感謝を捧げようと思います。
メーヴ・ビンチーの同名小説をもとにして作られた本作は
バランス感覚と皮肉に彩られた青春映画であります。
和やかな日常劇+女性映画の世界が
欲望&性欲渦巻く愛憎劇の世界へと変化していく姿を
俗物的見せ場と文学的神秘性の均整を保ち
アイルランド風味を漂わせながら
静かに写し出していくストーリー&演出は
私に「アイルランド気質」の一端と
「愛と性衝動、人情と不人情、大衆性と文学性のせめぎ合い」の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(愛憎劇の王道に沿った力業によって
ハッピー・エンドへと導く豪快さと
性的な部分を巧みに抽象化する知略を兼ね備えた
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「日常系愛憎劇」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。
アイルランド入門と愛憎劇の醍醐味、ロマンスとサスペンス
娯楽的盛り上げと純文学風味が絶妙のバランス感覚で混ざり合った本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。