映画に感謝を捧ぐ! 「ハウス・オブ・インフェルノ」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はスティーヴン・スピール監督の
「ハウス・オブ・インフェルノ」に感謝を捧げようと思います。
ドイツの夜道で立ち往生したアメリカ人男女2人の運命を描いた本作は
ホラー映画史上屈指の「節約的混沌」に彩られた怪作であります。
「ナチス・ドイツ関連の豆知識&装飾による怪奇感の水増し」
「同じ状況を複数回活用しつつ、微妙に変化させる」
「登場人物数を抑制することによって犠牲者を減らす」
「見世物的残酷描写と幻惑的表現法の多用」によって生み出された
ストーリー&演出、キャラクター造形は
私に「ナチス・ドイツの映画的活用法」
「神秘的ムードと倹約的ムードのせめぎ合い」
「ホラー映画的ハッタリ精神」の一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(秘めたる悪&新たなる悲劇の気配を残しつつ
様々な問題を隠蔽しているにも関わらず
「謎の真相」を知りたいという意欲を感じさせない
奇妙な幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさにリサイクル&ホラ吹き精神の極限を目指す
「時間旅行+悪霊系ホラー」であると言えるでしょう。
異常心理サスペンス、時間旅行SF、悪霊系ホラーの手法と
ナチス・ドイツを力業で組み合わせ
最小限度の予算、人員、空間、アイデアで映像作品を
生成することに挑んだ本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。