映画に感謝を捧ぐ! 「ラスト・アンドロイド」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はマルコ・カランタリ監督の「ラスト・アンドロイド」に
感謝を捧げようと思います。
人造人間「アイノア」と彼女を取り巻く人々の
運命を描いた本作は
SF&TVゲーム的ハッタリの極限を目指して突き進む
大怪作であります。
未来形、ロボット系、時間旅行系SFと
ロールプレイング・ゲーム&アドベンチャー・ゲームに
ありがちな要素をつなぎ合わせ
客寄せ的アクション&ロマンスを挿入しつつ
緩慢且つ気まぐれに進行するストーリー&演出は
私に「その場しのぎ+思わせぶり」の
限りを尽くした映像技&作劇法と
少年漫画的SFと中世系ファンタジーの融合が
もたらす科学反応の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(世界の運命よりも「恋愛映画的ハッピー・エンド」を
優先させるという大胆不敵な幕切れが
大作系SF映画に対する「無意識の皮肉」となっている点も
見逃せません。)
まさに「継ぎ接ぎ+漂流系SF」の称号にふさわしい
作品であると言えるでしょう。
膨大な情報量と状況設明の極小化
細切れ感満載のアクション・シーン&人間模様によって
生み出された「混沌」に圧倒される本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。