映画に感謝を捧ぐ! 「スピードスター」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はカリ・スコグラント監督の「スピードスター」に
感謝を捧げようと想います。
車泥棒「セージ」と彼女を取り巻く人々の運命を描いた本作は
驚異的な「つなぎ力」を感じさせる泥棒映画であります。
泥棒映画と異常心理サスペンスを力業で融合させた
ストーリー&キャラクター造形と
車と肉体を駆使したアクション・シーンが一体となる光景は
私に「狂気による犯罪と欲望による犯罪のせめぎ合い」と
「軽量級娯楽映画」にありがちな要素を網羅する手法の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(アクション映画的ハッピー・エンドの形態を取りながら
理性的に「正義」を行うことの難しさを写し出す
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「軽量級抗争劇」の歴史に輝く
実験作であると言えるでしょう。
車泥棒の技&身体能力を駆使して
異常心理殺人犯と犯罪組織に立ち向かうヒロインの勇姿と
奇策的に物語を進めつつ、娯楽映画的見せ場を的確に押さえる
堅実さが印象深い本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。