映画に感謝を捧ぐ! 「拾った女」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はサミュエル・フラー監督の「拾った女」に
感謝を捧げようと思います。
地下鉄で女性の財布を盗んだ男「スキップ・マッコイ」と
彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は
暇つぶし映画的戦術&技術に彩られた
巻き込まれ映画であります。
娯楽映画的見せ場の確保、映像的躍動感の維持
説明台詞によるスケール感増大
探偵小説的ムードに溢れたキャラクター造形が
一堂に会することによって生じる科学反応は
私に娯楽作品における「適正なスケール感&スピード感の維持」
「国際情勢の有効活用」・「アクション&ロマンスの確保」の重要性を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(事件の鍵となる「フィルム」の詳細を意図的に抽象化する事によって
クールさとユーモアに溢れた幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「軽量級お宝争奪系サスペンス」の歴史に輝く
堅実作であると言えるでしょう。
娯楽的ハッタリと人情味、アクション技法とサスペンス技法
政治宣伝風味とアウトロー風味が軽やかに混ざり合う本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。