映画に感謝を捧ぐ! 「U-900」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はスヴェン・ウンダーヴァルト監督の「U-900」に
感謝を捧げようと思います。
秘宝「キリストの聖杯」を積んだUボート&乗組員たちの
運命を描いた本作は
ドイツ製戦争映画史上屈指の「和やかな珍作」であります。
「レイダース・失われたアーク」と
「レッド・オクトーバーを追え!」の流れを汲み
「Uボート」風の装飾を施しつつ
冒険活劇+ドタバタ喜劇的な方向へと向かって進行する
ストーリー&演出、キャラクター造形は
私に「ナチス・ドイツの喜劇的活用法」・「シリアスとユーモアを結ぶ絆」
「アメリカ文化とドイツ文化の共同戦線」の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(「サスペンス映画的どんでん返し」をからかいつつ
力業で歴史との接点を持たせようとする姿に
心打たれる幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「喜劇系潜水艦映画」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
第2次大戦期のドイツを覆う狂気とアメリカ娯楽映画史を組み合わせ
喜劇的に加工することによって
緩やかなスリル&サスペンスと
ブラック・ユーモア的反戦メッセージに彩られた存在となった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。