映画に感謝を捧ぐ! 「ブルさんはおねむ」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はテックス・アヴェリー監督の「ブルさんはおねむ」に
感謝を捧げようと思います。
アメリカンカートゥーン 腹ぺこ野良猫 ABX-401 [DVD]
犬とニワトリの奇妙な対決を描いた本作は
軽妙でありながらも鋭い皮肉に彩られたアニメーション映画であります。
「ニワトリに奪われた安眠を取り戻す」為に闘う
ブルドックの奮闘ぶりを
SF+ギャグ漫画的発想&サイレント喜劇的笑いの
限りを尽くして描きながらも
「ニワトリ=ヒーロー、ブルドック=悪漢」であるかのような
気配を感じさせるストーリー&演出は
私に「正義と悪を隔てる境界線の曖昧さ」と
「心技体を尽くして闘う男たちの姿が
善悪を超越した輝きを放つ現象」を
アニメーション映画的に表現する手法の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(安眠を奪う存在と奪われる存在が逆転する現象を通じて
「行いと報いの関係」を示した幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「ドタバタ喜劇系正義&運命論」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
軽やか且つユーモラスな物語&映像の中に
宗教&人生訓的メッセージ性を宿す本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。