映画に感謝を捧ぐ! 「ダンケルク(2017年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はクリストファー・ノーラン監督の
「ダンケルク(2017年版)」に感謝を捧げようと思います。
ダンケルクからの撤退を試みる
イギリス軍兵士達の運命を描いた本作は
冷徹なるスケール感に彩られた戦争映画であります。
「イギリス軍目線のダンケルク戦」を様々な角度で描きつつ
娯楽的高揚感を抑制し、クールに進行する
ストーリー&演出は
私に「大作的スケール感と静かなるスリルの共存方法」と
反戦メッセージに依存することなく「戦争の非情さ」を
示す手法の一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(武勇伝的ハッピー・エンドに背を向けて
渋味の利いた幕切れへと着地している点も見逃せません。)
まさに「歴史資料風戦争大作」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。
アメリカ製戦争大作でありながら
「(連合軍の撤退戦)を題材にする」・「ヒーロー的主人公を登場させない」
「戦争における(死の軽さ&個人の小ささ)を前面に出す」
「ドイツ軍の存在&連合軍礼賛を極限まで抑制する」という
大胆不敵な賭けに挑んだ本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。