映画に感謝を捧ぐ! 「新・仁義なき戦い 組長最後の日」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回は深作欣二監督の「新・仁義なき戦い 組長最後の日」に

 感謝を捧げようと思います。

新 仁義なき戦い 組長最後の日 [DVD]
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 飯干晃一の小説「仁義なき戦い」をもとにして作られた

 非実話系シリーズの3作目となる本作は

 深作欣二監督&菅原文太の名コンビによる

 「仁義なき戦いシリーズ」の最終章であります。

 暴力団とは無縁の殺人事件が

 「暴力の連鎖性」によって暴力団抗争へと繋がっていくストーリー

 描写の過激化&複雑化により「テロリスト」の領域に到達したアクション・シーン

 愛憎渦巻く人間模様が一体となる光景は

 私に「個人の情念」が組織を翻弄していく現象と

 「戦争」を止めることの難しさを

 娯楽的に表現する手法の一形態を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (「組長最後の日」という副題の意味を皮肉な形で示しつつ

 名もなきキャラクターに「晴れ舞台」を与える幕切れが

 暴力の空しさをより鮮明化している点も見逃せません。)

 まさに「極道映画」の衣を纏ったテロリスト映画と呼びたくなる

 作品であると言えるでしょう。

 「史実」から解放された物語と

 映像的インパクトを追求した暴力描写が

 一つの臨界点に達した本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。