映画に感謝を捧ぐ! 「アパッチの太鼓」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はヒューゴ・フレゴネーズ監督の「アパッチの太鼓」に
感謝を捧げようと思います。
先住民の襲撃から町を守るために闘う
人々の運命を描いた本作は
力業と効率主義に彩られながらも
娯楽的知略を感じさせる西部劇であります。
「効率的に危機を高める」・「残酷な状況を巧みに抽象化する」
「先住民=悪という図式を沿って進行しつつ
先住民差別を批判する描写を入れる」
「ワンマン・ヒーロー的な戦闘を避けながら
多彩なアクション・シーンを見せる」試みが
一体となったストーリー&演出は
私に、アメリカ西部劇的活劇性と
イタリア西部劇的残酷さの奇妙な共同戦線と
暇つぶし規模のスケール感を保ちながら
様々な娯楽要素を詰め込む技法の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(1939年の映画「駅馬車」の一場面と戦争映画を
組み合わせたかのような幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「猛将+智将系暇つぶし西部劇」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
「対先住民系西部劇」の法則に則しつつ
アクション・ヒーロー的見せ場作りに背を向けて
集団抗争劇と人間模様に重きを置いた本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。