映画に感謝を捧ぐ! 「夜の人々(1948年版)」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はニコラス・レイ監督の「夜の人々(1948年版)」に

 感謝を捧げようと思います。

夜の人々 HDマスター [DVD]
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 エドワード・アンダーソンの小説「They Live by Night」を

 もとにして1948年に作られた本作は

 泥棒映画史上屈指の「奇策性&先見性」を感じさせる作品であります。

 「犯罪者」に好意的な目線で物語を進行させつつ

 暴力描写を巧みに抑制し、恋愛&人間模様に重きを置いた

 

 ストーリー&演出、キャラクター造形は

 私に「極道的悲劇と恋愛的悲劇の共同戦線」と

 「活劇的見せ場」に依存しないスリル&サスペンス生成術の

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (女性二人の愛&勧善懲悪性と悲劇性が静かにせめぎ合う

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「極道系恋愛悲劇」の一翼を担う

 作品であると言えるでしょう。

 娯楽的銃撃戦&カー・アクションに背を向けて

 精神面を重んじる映像技&作劇法と

 バイオレンスとロマンスを巧みに両立させる

 バランス感覚によって

 1960~70年代のアメリカ映画を覆う「反抗精神」の序曲を奏でつつ

 後年の犯罪映画に対する「道しるべ」となった本作と

 生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。