映画に感謝を捧ぐ! 「ゴールデン・ボーイ(1939年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はルーベン・マムーリアン監督の
「ゴールデン・ボーイ(1939年版)」に感謝を捧げようと思います。
クリフォード・オデッツの同名戯曲をもとにして作られた本作は
様々な葛藤に彩られたボクシング映画であります。
芸術家的才能と武術家的才能、繊細さと闘魂
サスペンスとホームドラマ、悪女気質と純情さが
スポーツビジネスの光と闇が
激しくも上品にせめぎ合うストーリー&演出、キャラクター造形は
私に「相反する二つの天性」を共有してしまった人間の悲哀
愛情の複雑怪奇さ、武術系スポーツに潜む魔性を
映画的に表現する手法の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(癒し系の形態を取りながら
「ハッピー・エンド」が犠牲を伴う存在であることを示す生真面目さを
兼ね備えた幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「家族劇系スポーツ映画」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
アーティスト的優しさとファイター的闘志の間で揺れ動く主人公と
彼を魅了し、翻弄する「二つの世界」を
軽快さ、人情味、文学風味の均整を保ちながら
描くことに挑んだ本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。