映画に感謝を捧ぐ! 「死の接吻(1947年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はヘンリー・ハサウェイ監督の
「死の接吻(1947年版)」に感謝を捧げようと思います。
エリアザー・リプスキーの同名実話系小説をもとにして
1947年に作られた本作は
技巧性、皮肉、舞台効果に彩られた実話系極道映画であります。
潜入捜査のスリル、警察組織に対する複雑な思い
「犯罪の底なし沼」から脱することの難しさが絡み合うストーリーと
ニューヨークの持ち味とサスペンス系映像技がバランス良く配合された演出が
一体となる光景は
私に「正義と悪の複雑な関係」を映画的に表現する手法と
「大衆娯楽性と文学性&資料性による共同戦線」の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(敵将R・ウィドマークのモンスター的怪演と
ハッピー・エンドの爽快感よりも
男2人の「生」に対する執念が印象深い
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「潜入捜査型極道映画」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
復讐に燃えながらも常に冷静さを保ち続ける2人の男と
彼らを取り巻く人々の姿を
「小説の挿絵」風味と娯楽映画的テクニックの均整を
保ちながら描くことに挑んだ本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。