映画に感謝を捧ぐ! 「破局」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はマイケル・カーティス監督の「破局」に
感謝を捧げようと思います。
アーネスト・ヘミングウェイの小説「持つと持たぬと」を
もとにして1950年に作られた本作は
渋味の利いたサービス精神に彩られた巻き込まれ映画であります。
前回の映画化作品「脱出」よりも
原作に近い形態で進行するストーリー
娯楽映画的盛り上げ&スピード感を保ちつつも
文学的ムードを感じさせる演出&説明台詞
挿絵感満載の俳優&女優陣が一体となる光景は
私に「小説技法と映画技法の共同戦線」と
「不運&犯罪の連鎖」を映画的に表現する手法の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(アメリカ映画的ハッピー・エンドに対する
静かなる皮肉を感じさせる幕切れと
なっている点も見逃せません。)
まさに「文学系巻き込まれ映画」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
家庭人と冒険家気質、自己防衛本能&良心の間で
揺れ動く主人公
装飾品の香り漂う悪女系ヒロイン
活劇性、アイデア性、皮肉が融合した
アクション・シーンが一体となることによって生を受けた本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。