映画に感謝を捧ぐ! 「仮面/ペルソナ」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はイングマール・ベルイマン監督の「仮面/ペルソナ」に
感謝を捧げようと思います。
看護師「アルマ」と女優「エリザべート」の
運命を描いた本作は
静かなる怪奇性と文学性に彩られた女性映画であります。
閉ざされた世界で交流を深めていくことによって
女性2人の心中にある「仮面」が崩壊し
精神的結びつきを深めていく過程を
小説の挿絵+サスペンス&ホラー的な映像と
純文学+舞台劇的作劇法によって写し出していく
ストーリー&演出、キャラクター造形は
私に「外向きの自分と内なる自分のせめぎ合い」を
映画的に表現する手法と
「異文化交流と心理戦の秘めたる共通項」の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(2人の末路を極限まで暗示化することによって
人間心理の複雑怪奇さを示すかのような
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「陰性文学系女性映画」界の
静かなる強豪作であると言えるでしょう。
舞台&人間関係を極限まで抑制することによる
精神的スケール感の広がりと
主演女優2人から放たれる「クールな狂気」によって
鑑賞者を「心理的迷宮」へと誘う本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。