映画に感謝を捧ぐ! 「叫びとささやき」

映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はイングマール・ベルイマン監督の

 「叫びとささやき」に感謝を捧げようと思います。

叫びとささやき ≪HDリマスター版≫ [DVD]
叫びとささやき ≪HDリマスター版≫ [DVD]

 大邸宅に住む三姉妹&メイドの運命を描いた本作は

 文学的な妖気に満ちた女性映画であります。

 日常劇、恋愛劇、異常心理劇が静かに絡み合うストーリーと

 ヨーロッパ絵画と怪奇映画の香り漂う映像技

 史劇+推理劇風味を感じさせる風景+俳優&女優陣が

 一体となる光景は

 私に「愛&死に関する考察を映画的に行う」

 「日常風景を純文学的に描写する」

 「物理的スケール感を抑制する事によって精神的スケール感を広げる」

 手法の一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (女性4人の和やかな時間を写し出した後に

 

 「静かなる死臭」を感じさせる文章を放つ

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「閉鎖系純文学+美術館系日常劇」の

 雄と呼ぶにふさわしい作品であると言えるでしょう。

 赤と黒が織りなす怪奇的映像美と

 登場人物を襲う悲劇&葛藤を淡々と描いていくストーリー展開によって

 ホームドラマ、サスペンス、ホラー、ポルノが

 入り交じったかのような世界を醸し出す本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。