映画に感謝を捧ぐ! 「白熱(1949年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はラオール・ウォルシュ監督の「白熱(1949年版)」に
感謝を捧げようと思います。
強盗団首領「コーディ・ジャレット」と
彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は
貪欲且つ技巧的な狂気に彩られた犯罪映画であります。
泥棒映画、刑務所映画、潜入捜査劇、家族劇
異常心理劇の特性をバランス良く配合したストーリー
娯楽的アクション&サスペンス的見せ場を的確に盛り上げ
軽やかに進行する演出
主演男優J・キャグニーの壮絶なる怪演が一体となる光景は
私に凶暴性と哀愁、愛情と狂気を結ぶ絆
「悪漢目線の犯罪映画」が持つ背徳的魅力
様々な娯楽要素を詰め込みつつ
効率性を維持する映像技&作劇法の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(狂愛&高揚感の頂点を極めたかのような「主人公の最期」と
彼を嫌悪しながらも一定の敬意を払う捜査陣の姿が
独特の爽快感を感じさせる幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに凄まじいほどの技巧と凶悪性によって
「悪漢系武勇伝」の領域へと駆け上がった
犯罪映画であると言えるでしょう。
母親への愛、周囲への猜疑心、心身系ハンディキャップを抱えながら
「世界の頂点」を目指して犯罪道を突き進む主人公の悪魔的魅力と
大衆娯楽性全開でありながらも
実験精神&メッセージ性を感じさせる映像&物語によって
後年の犯罪映画を豪快に導く存在となった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。