映画に感謝を捧ぐ! 「明日に別れの接吻を」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はゴードン・ダグラス監督の「明日に別れの接吻を」に

 感謝を捧げようと思います。

明日に別れの接吻を [DVD]
明日に別れの接吻を [DVD]

 ホレス・マッコイの同名小説をもとにして作られた本作は

 渋味の利いた魔性に彩られた犯罪映画であります。

 娯楽映画的暴力&性描写、時系列操作&録音機材の活用

 適性範囲のスケール感&スピード感の維持が

 一体となったストーリー&演出、キャラクター造形は

 

 私に「凶悪且つ奔放な魂」に翻弄された人々の悲劇と

 単純な状況を複雑に描写する&過激な状況を巧みに抽象化する

 映像技の一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (「レコード」の証言によって極道映画と怪奇映画の香りが

 静かに絡み合う幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「大衆食堂+文学系犯罪映画」の一翼を担う

 作品であると言えるでしょう。

 凶暴なバイオレンス、甘いロマンス

 謎解きのスリルが複雑に絡み合いながら

 「悪」の持つ引力&麻薬性を写し出す本作と

 生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。