映画に感謝を捧ぐ! 「大時計」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はジョン・ファロー監督の「大時計」に

 感謝を捧げようと思います。

大時計 [DVD]
大時計 [DVD]

 ケネス・フィアリングの同名小説をもとにして

 1948年に作られた本作は

 奇策的な物語&映像に彩られた巻き込まれ映画であります。

 「自分に不利となる情報を隠蔽しつつ

 事件の真相に迫る主人公」という発想と

 巻き込まれ映画の王道を融合させたストーリーと

 時計と幻惑的表現法によって登場人物の心情を示しつつ

 段取り描写を効率化していく映像が一体となる光景は

 私に「情報収集と隠蔽工作が同時進行する」現象と

 「技巧的映像表現とストーリーによる共同戦線」の一形態を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (「事件解決」によって様々な問題を闇に葬るという

 決着の付け方となっている点も見逃せません。)

 まさに「映像派サスペンス」の雄と呼ぶにふさわしい

 作品であると言えるでしょう。

 

 変化球的なストーリー展開

 多彩な映像技、小道具の有効活用によって

 後年のサスペンス映画に対する「道しるべ」の一つとなった本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。