映画に感謝を捧ぐ! 「デッドライン U.S.A」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はリチャード・ブルックス監督の
「デッドライン U.S.A」に感謝を捧げようと思います。
新聞「ザ・デイ」の編集長エド・ハッチソンと
彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は
娯楽映画的サービス精神と
社会派の渋味を兼ね備えた生真面目作であります。
ジャーナリズムとビジネス、親と子
男性的価値観と女性的価値観
正義漢&誇りと財力&暴力のせめぎ合いを
娯楽的スリル&サスペンス技法と
暇つぶし映画的効率主義を駆使して描いていく
ストーリー&演出、キャラクター造形は
私に「頭脳派ヒーロー集団」の醍醐味と
社会性と娯楽性、スター主義とストーリー主義による共同戦線の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(結論を抽象化しつつ「正義の勝利」を暗示するという手法によって
娯楽映画的ハッピー・エンドの爽快感を生成しながら
鑑賞者の想像力を刺激する幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「情報戦型集団抗争劇」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
アメリカに宿る組織犯罪の恐怖、報道への信頼
仕事愛と家族愛の葛藤を
生真面目且つ効率的に写し出すことによって
後年の社会派映画に対する「道しるべ」の一つとなった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。