映画に感謝を捧ぐ! 「我れ暁に死す」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はウィリアム・キーリー監督の「我れ暁に死す」に
感謝を捧げようと思います。
ジェローム・オドラムの同名小説をもとにして作られた本作は
荒々しさと繊細さ、堅実さと過激さが交錯する刑務所映画であります。
巻き込まれ映画から刑務所の日常劇へと転じ
犯罪捜査映画→籠城戦へと急進するストーリーと
アクション&サスペンス技法と効率主義が絡み合う
映像技が一体となる光景は
私に「勧善懲悪とアウトロー愛、人情と不人情のせめぎ合い」と
「各種娯楽要素をバランス良く配合する」技法の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(正義の勝利よりも「男の友情」が印象深い
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「男気系刑務所映画」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
娯楽的サービス精神と実験精神を兼ね備えた
ストーリー&演出、キャラクター造形の中に
後年のJ・キャグニー主演作&刑務所映画に通じる要素と
「人間と環境の関係」に対する一考察を宿す本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。