映画に感謝を捧ぐ! 「札つき女」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はロイド・ベーコン監督の「札つき女」に
感謝を捧げようと思います。
極道組織首領に支配されたバーで働く
女性5人の運命を描いた本作は
堅実さと生真面目さに彩られた女性映画であります。
残酷な部分を巧みに抽象化しつつ
娯楽的スリル&サスペンスを的確に押さえ
スターの魅力をアピールする堅実さと
女性と社会の関係&極道組織と闘うことのリスクを
題材とする生真面目さが一体となった
ストーリー&演出、キャラクター造形は
私に、娯楽映画的サービス精神と教訓性による
共同戦線の一形態と
効果音&状況設明台詞技法の一端を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(能天気なハッピー・エンドに背を向けて
渋味の利いた幕切れへと着地している点も見逃せません。)
まさに「軽量級女系極道映画」の
一翼を担う作品であると言えるでしょう。
極道映画の定番に即しつつ、女性目線に立った作劇法と
暴力性を抑制しつつ、スリル&サスペンスを高めていく映像技によって
後年の女性映画&極道映画に対する「道しるべ」の一つとなった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。