映画に感謝を捧ぐ! 「クワイエット・プレイス」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジョン・クラシンスキー監督・主演の
「クワイエット・プレイス」に感謝を捧げようと思います。
音に反応して人を襲うモンスターの
脅威にさらされた世界で生きる
4人家族の運命を描いた本作は
モンスター映画史上屈指の「静かなる苦悩」に
彩られた作品であります。
1999年の映画「トレマーズ」の流れを汲む
発想をシリアス寄りに加工し
サイレント映画&道中劇要素を加えることによって
生を受けたストーリー&演出と
「主要登場人物数4人&世界崩壊の過程を極限まで省略する」という
過酷な状況設定が一体となる光景は
私に、崩壊した世界で生き残るため
寡黙な人生に耐え続ける主人公一家と
奇策的アイデア+厳しいルールと人員+予算的限界に縛られながら
娯楽的スリル&サスペンスとドラマ性を保ち続けようとする
スタッフ&キャスト陣の苦闘が
重なっていく現象の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(「アタック・オブ・ザ・キラートマト」・「マース・アタック」の
ハッピー・エンドに近い形態でありながら
一筋の希望と絶望感がせめぎ合う幕切れとなっている点も
見逃せません。)
まさに「静粛系&道中系ホラー」の雄と呼ぶにふさわしい
作品であると言えるでしょう。
効率性と物語性、アトラクション風味と怪談的恐怖の
説明的描写と「鑑賞者に考えさせる」描写法の
バランス確保に励むことによって
モンスター映画における「発想力&ルール遵守」の重要性と
スケール感&スピード感の適性範囲を守った
娯楽作品の魅力を象徴する存在となった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。