映画に感謝を捧ぐ! 「天使の入江」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジャック・ドゥミ監督の「天使の入江」に
感謝を捧げようと思います。
ニースの博打場で意気投合した男女
「ジャン&ジャッキー」の運命を描いた本作は
恋愛映画史上屈指の「軽業性」を持った作品であります。
スターの輝き、浮世離れしたロマンス、観光旅行気分
日常劇の香り、ギャンブルの魅力&危うさが
絡み合ったストーリーと
情緒&上品さと効率性&躍動感を兼ね備えた演出が
一体となる光景は
私に「人生の博奕性+サスペンス性&ギャンブルの麻薬性」を
映画的に表現する手法と
暇つぶし映画的サービス精神と文学性による共同戦線の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(ハッピー・エンドの形態を取りつつも
不安の影を感じさせる幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「フランス流賭博道中記」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
愛と狂気、スリルとユーモア、品格と俗物性
パリと南仏の持ち味が独特のバランスで共存する本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。