映画に感謝を捧ぐ! 「山の王者」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はエルンスト・ルビッチ監督の「山の王者」に

 感謝を捧げようと思います。

山の王者 [DVD]
山の王者 [DVD]

 ヤコブ・クリストフ・ヒーアの小説をもとにして作られた本作は

 奇襲的にして貪欲なサイレント恋愛劇であります。

 史劇風に幕を開け、恋愛喜劇調に転じ

 愛憎劇+冒険活劇へと急進していくストーリー&演出は

 私に、暇つぶし規模の枠内に

 多彩な物語性&映像技を盛り込む実験と

 運命の意地悪さ&愛情の複雑怪奇さを

 映画的に表現する手法の一形態を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (肉体的悲劇+精神的ハッピー・エンドと呼びたくなるような

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「ジャンル集結型系愛憎劇」の一翼を担う

 作品であると言えるでしょう。

 効率主義+積載過多的ストーリー展開がもたらす

 「登場人物の精神的七変化」と

 技巧過多的映像表現に圧倒される本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。