映画に感謝を捧ぐ! 「監獄都市/プリズン・シティ」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はS・A・ヘイルウッド監督の
「監獄都市/プリズン・シティ」に感謝を捧げようと思います。
2039年の世界で暮らす人々の運命を描いた本作は
奇襲的陰鬱さに彩られたSF映画であります。
監視社会と化した「未来」と闘う男たちの物語という
形態を取りながら
娯楽的見せ場を抑制し、淡々と進行する
ストーリー&演出は
私に「犯罪者をスター的に扱う」
「日常を娯楽作品として世に発する」風潮に対する反抗と
娯楽的魅力を極限までそぎ落としたSF映画作りの
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(「結論の抽象化」を極めることによって
純文学の香りを放つ幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「陰性未来系SF」の究極形態を目指して
突き進む一作であると言えるでしょう。
支配された世界で暮らす恐怖を味あわせるために
娯楽的魅力を廃するという
大胆不敵な賭けに挑んだ本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。