映画に感謝を捧ぐ! 「恐怖の獣人」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はロジャー・コーマン監督の「恐怖の獣人」に
感謝を捧げようと思います。
「川向こうの地」を目指して旅立った男と
彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は
モンスター映画史に多大な影響を与えた
大いなる軽量作であります。
娯楽的アクション、お色気、反権威を的確に押さえつつ
史劇、SF、冒険活劇が入り交じった世界を
効率的に描いていくストーリーと
軽やかに絡み合う映像が一体となる光景は
私に「暇つぶし規模のスケール感&スピード感」を保ちながら
奇策的試みを行う作劇法&映像技と
作品全体を覆う「安物感」が
味わいの領域に到達する現象の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(壮絶なまでの説明台詞&力業に彩られた真相→幕切れによって
「どんでん返し史上主義」を加速させた作品であるという点も
見逃せません。)
まさに「原始系モンスター映画」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。
軽量級娯楽映画界の英雄
R・コーマンの知略+技術&サービス精神と
1950年代SF映画の潮流が融合することによって生を受け
後年の大作系SF映画&M・N・シャマラン関連作に
通じる道を切り開いた本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。