映画に感謝を捧ぐ! 「オーソン・ウェルズのフェイク」
新年あけましておめでとうございます。
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
2020年初となる今回はオーソン・ウェルズ監督・主演の
「オーソン・ウェルズのフェイク」に感謝を捧げようと思います。
贋作画家「エルミア・ホフマン」に関する一部を記録した本作は
渋味の利いた悪戯心に彩られた記録映像であります。
「エルミア・ホフマン」の妖しげな伝説
O・ウェルズの妖しげな風貌&語り口
細切れ的且つ幻惑的な表現法によって
静かなる妖しさを醸し出す映像が一体となる光景は
私に「芸術家の精神構造」・「犯罪と芸術の秘めたる近似性」
「胡散臭さを放つ存在に魅了される心理」
「現実と創作を結ぶ絆」を映画的に表現する手法の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(舞台風味とブラック・ユーモア性が静かに交錯する
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「ホラ吹き系芸術論」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
知略&知識、技術、上品さを兼ね備えたホラ話の醍醐味と
芸術家に宿る悪魔&道化師的魅力を体現すると同時に
後年の記録映像&実話系映画に対する「道しるべ」の一つとなった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。
追伸 今年も「西村哲也の弁護系映画論」をよろしくお願いします。