映画に感謝を捧ぐ! 「ザ・エクスペリメンター」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はマット・ミッチェル監督の
「ザ・エクスペリメンター」に感謝を捧げようと思います。
モンスターと闘いながら地下施設からの脱出を図る人々の
運命を描いた本作は
M・N・シャマラン監督作的ハッタリ戦術と
ホラー映画的節約&幻惑術の粋を結集した作品であります。
登場人物数&情報量を抑制し
回想描写を多用することによって
壮大さ&謎めいた雰囲気を生成しようとする作劇法
アトラクション+TVゲーム的でありながらも
陰鬱さに彩られた舞台&モンスター造形
ホラー映画の王道に即した残酷描写が
一体となる光景は
私に「思わせぶり描写」の究極形態を目指して突き進む
ストーリー&演出と
謎解きと戦闘を同時進行させる手法の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(ハッピー・エンドや悲劇への着地を拒み
最大の問題を曖昧化したまま訪れる幕切れが
情報過多&スケール感の暴走に対する
「無意識の警鐘」となっている点も見逃せません。)
まさに「冒険&謎解き型ホラー」史上屈指の
陰鬱なる怪作であると言えるでしょう。
闘いの合間に謎が解明されていく怪現象と
ゾンビ映画の矛盾点を補うかのような
モンスターとの遭遇をもたらした本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。