映画に感謝を捧ぐ! 「スミス夫妻」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はアルフレッド・ヒッチコック監督の
「スミス夫妻」に感謝を捧げようと思います。
ノーマン・クラスナの同名舞台劇をもとにして作られた本作は
夫婦喜劇史上屈指の「実験性」を感じさせる一作であります。
サスペンス技法をドタバタ喜劇&恋愛劇的に活用し
A・ヒッチコック監督の得意技「巻き込まれ」を
主人公&ヒロインではなく周辺人物に及ぼすという試みは
私に「他人の夫婦喧嘩に干渉する」事の危険性と
「男女関係のサスペンス&コメディ性」を
映画的に表現する手法の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(力業でハッピー・エンドへと導きつつ
性的な部分を巧みに抽象化する
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「夫婦喧嘩喜劇」の歴史に輝く珍作であると言えるでしょう。
ラブ・コメディ的物語とA・ヒッチコック監督の融合がもたらす科学反応によって
サスペンスに宿る「滑稽さ」と
ラブ・コメディに宿る「ご近所迷惑感」を写し出す本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。