映画に感謝を捧ぐ! 「四十二番街(1933年版)」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はロイド・ベーコン監督の「四十二番街(1933年版)」に

 感謝を捧げようと思います。

四十二番街【淀川長治解説映像付き】 [DVD]
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 ブラッドフォード・ロープスの小説をもとにして作られた本作は

 

 堅実派の雄R・ベーコン監督の魅力と

 

 映画における「総合力&バランス感覚」の重要性を象徴する

 舞台裏映画であります。

 膨大なる物量&人員を制御する技術

 技巧的映像表現の数々

 娯楽的スリル&サスペンス+ロマンスの徹底追求

 「見せ場」以外を巧みに省略することによる

 娯楽的躍動感の確保

 俳優&女優陣による華やかな歌&踊りが

 

 一体となる光景は

 私にスタッフ&キャスト陣の特性を生かした

 娯楽作品作りの醍醐味と

 「舞台ミュージカルの光と影」を映画的に表現する

 手法の一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (万事解決のハッピー・エンドでありながらも

 「宴の後」特有の哀愁と人気商売の非情さを感じさせる

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「舞台ミュージカル&娯楽映画作り入門」の

 一翼を担う作品であると言えるでしょう。

 華麗&壮大にしてユーモラスな歌&踊り

 美男美女による甘いロマンス

 暴力に依存しないスリル&サスペンス生成術

 舞台劇の魅力をアピールしつつ

 裏側に潜む「魔性」から目を背けない精神が一堂に会し

 

 互いの個性を生かしながら

 作品世界を盛り上げていくことによって

 後年の舞台裏映画に対する「道しるべ」の一つとなった本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。