映画に感謝を捧ぐ! 「クローズド・バル 街角の狙撃手と8人の標的」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はアレックス・デ・ラ・イグレシア監督の
「クローズド・バル 街角の狙撃手と8人の標的」に
感謝を捧げようと思います。
謎のスナイパーによって食堂に留まることを余儀なくされた
男女8人の運命を描いた本作は
生真面目な力業に彩られた巻き込まれ映画であります。
登場人物に関する情報を極限まで抑制し
舞台を「食堂内とその周辺」に絞る事によるスケール感抑制
緩慢化しやすい映像&物語を補うための
ホラー映画的残酷描写&アクション映画的暴力描写
思わせぶり描写の数々に説得力を持たせるための配慮が
一堂に会したストーリー&演出と
災害映画の王道に即したキャラクター造形が一体となる光景は
私に「浮世離れした状況設定に(現実感)を持たせる」
謎解きとサバイバルの両立を図る」事を目的とした
作劇法&映像技の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(ハッピー・エンドの爽快感や謎の解明に背を向けた幕切れが
巨大な組織に個人が抗うことの難しさと
生還=幸福ではないという過酷な現実を
示している点も見逃せません。)
まさに「空間限定型人的災害映画」の
一翼を担う作品であると言えるでしょう。
テロ対策映画風の装飾を纏いつつ
アクション・サスペンス・SF・ホラーが入り交じった物語へと急進しつつ
一定の筋を通そうとするスタッフ陣の奮闘ぶりに心打たれる本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。