映画に感謝を捧ぐ! 「淑女超特急」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はエルンスト・ルビッチ監督の「淑女超特急」に
感謝を捧げようと思います。
ヴィクトリアン・サルドゥ&エミール・ド・ナルジャックの戯曲
「離婚しましょう」をもとにして1941年に作られた本作は
驚異的なバランス感覚に彩られた夫婦喜劇であります。
ユーモアとシリアス、愛憎と人情、躍動感と品格
トーキー技法とサイレント技法、庶民気質と上流社会気質の
均整を保ちながら進行するストーリー&演出、キャラクター造形は
私に「近代感覚+非暴力的お伽噺」の醍醐味と
精神と肉体の関係&男女関係の神秘性を
映画的に表現する手法の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(ハッタリ的でありながらも上品な
ユーモアセンスを感じさせる邦題と
性的な部分を巧みに抽象化し
滑稽さを失うことなく「決着」へと導くことによって
和やかに幕切れを迎えられるよう配慮されている点も見逃せません。)
まさに「夫婦関係修復術入門」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。
不倫劇、夫婦漫才、日常劇、サイレント
トーキーの長所を抽出し
バランス良く配合することによって
ロマンティック・ユーモアとブラック・ユーモア
会話アクションと体術的笑いが
軽やかに絡み合う世界を生成した本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。