映画に感謝を捧ぐ! 「リフテッド」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はゲイリー・ライドストローム監督の「リフテッド」に

 感謝を捧げようと思います。

ピクサー・ショート・フィルム&ピクサー・ストーリー 完全保存版 [DVD]
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 地球人を誘拐するためにやってきた

 エイリアンがもたらす珍騒動を描いた本作は

 和やかにして大胆不敵なアニメーション映画であります。

 「ピクサー」の定番要素と米ドラマ「Xファイル」を

 融合させたキャラクター造形&状況設定と

 「SF映画において敵役とされる存在を主人公とする」

 「人類の危機をサイレント喜劇+TVゲーム的に描写する」といった

 挑戦的な試みが一体となる光景は

 私に、恐怖と笑いの近似性と

 多角的視野を持つ&過酷な空間的制約を課すことによって生じる

 精神的スケール感の広がりを

 SF映画的に表現する手法の一形態を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (「人類にとってのハッピー・エンド」と見せかけて

 ユーモラスな悲劇へと急展開するという

 離れ業に挑んだ作品の一つであるという点も見逃せません。)

 まさに「軽量喜劇SF」の雄と呼ぶにふさわしい

 作品であると言えるでしょう。

 ドタバタ喜劇&エイリアン系SFの形態を取っているにもかかわらず

 テクノロジーが人間の想像を超える速度で発展し

 

 複雑化していく事への警鐘と

 人々の知らない領域で「歴史」に影響を与える存在に

 対する複雑な思いを感じさせる姿に驚かされる本作と

 生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。