映画に感謝を捧ぐ! 「ゼロ・グラビティ」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はアルフォンソ・キュアロン監督の

 「ゼロ・グラビティ」に感謝を捧げようと思います。

ゼロ・グラビティ [DVD]
ゼロ・グラビティ [DVD]

 作業中の事故によって宇宙に取り残された

 メディカル・エンジニア&宇宙飛行士の運命を描いた本作は

 作劇的知略と映像技術に彩られたSF映画であります。

 宇宙の持つ閉塞感&浮遊感を徹底追求した映像作り

 空間&人員的スケール感を極限まで抑制することによる

 スリル&サスペンス生成術が一体となったストーリー&演出は

 私に、記録映像風味と娯楽映画風味が

 独特のバランスで共存する光景と

 鑑賞者と登場人物の情報量を可能な限り同一化する

 作劇法&映像技の一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (「ハッピー・エンド」に属しつつも渋味を感じさせる

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「陰性冒険型宇宙系SF」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。

 娯楽的誇張&ヒーロー礼賛色に背を向けて

 現実味のある宇宙描写と

 主人公を覆う孤独感+絶望感を鑑賞者が共有する表現法を

 追い求める姿に圧倒される本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。