映画に感謝を捧ぐ! 「デッド・エンド」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はウィリアム・ワイラー監督の「デッド・エンド」に

 感謝を捧げようと思います。

デッド・エンド [DVD]
デッド・エンド [DVD]

 シドニー・キングズレーの同名戯曲をもとにして作られた本作は

 軽業的バランス感覚と生真面目さに彩られた日常劇であります。

 極道映画的状況が日常化した世界に生きる人々の姿を

 大衆娯楽風味と社会派風味の均整を保ちながら描いていく

 ストーリー&演出は

 私に「大人社会の荒廃」が子供に与える影響を

 映画的に表現する手法と

 娯楽的サービス精神と教訓+社会風刺による

 共同戦線の一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (ハッピー・エンドに属しつつもある種の「危うさ」を感じさせる

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「極道系日常劇」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。

 愛と憎しみ、上流社会と庶民社会、アクションとロマンス

 子供目線と大人目線、舞台劇要素と映画要素が複雑に絡み合いながら

 アメリカを覆う「病理」の一端を写し出す本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。