映画に感謝を捧ぐ! 「レニングラード大攻防1941」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はビクトール・アリストフ監督の
「レニングラード大攻防1941」に感謝を捧げようと思います。
レニングラード大攻防 1941 [DVD] - ヴァディム・マカロフスキ, ノジェリ・チョニシヴィリ, ビクトール・アリストフ, アーサー・マカロフ, ビクトール・アリストフ, ヴァディム・マカロフスキ
レニングラード(現サンクトペテルブルク)への
物資輸送のために集められた男たちの運命を描いた本作は
大作的スケール感と軽量級作品的効率性
悲劇性と活劇性を兼ね備えた
ソビエト(現ロシア)製戦争映画であります。
過酷な状況下で奮闘する男たちを
軍事系アクション&人間模様を駆使しながら描きつつ
ある種の緩やかさを感じさせるストーリー&演出、キャラクター造形は
私に「戦争」を日常の営みとして受け入れてしまう恐怖と
武勇伝要素と反戦要素によるせめぎ合いの
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(娯楽的高揚感を極限まで抑制することによって
「戦争にハッピー・エンドは存在しない」という現実に
向き合った幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「ソビエト軍苦闘伝」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
英雄礼賛要素に背を向けて
敵軍の攻撃に耐え続ける人々を通じて
戦争の残酷さ&ヒーロー不在性を写し出す本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。