映画に感謝を捧ぐ! 「情無用の街」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はウィリアム・キーリー監督の「情無用の街」に

 感謝を捧げようと思います。

情無用の街 [DVD] - リチャード・ウィドマーク, マーク・スチーブンス, バーバラ・ローレンス, ウィリアム・キーリー
情無用の街 [DVD] - リチャード・ウィドマーク, マーク・スチーブンス, バーバラ・ローレンス, ウィリアム・キーリー

 センター・シティーで発生した連続強盗殺人事件を

 もとにして作られた本作は

 実話系犯罪映画史上屈指の「綱渡り感」を

 放つ一作であります。

 FBI礼賛&歴史教材性を重視しつつ

 

 一定の娯楽要素を保つように配慮された

 ストーリー&演出、キャラクター造形は

 私に「娯楽的サービス精神と政治的宣伝精神のせめぎ合い」と

 「優等生的スリル&サスペンス生成術」の

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (FBI礼賛的メッセージに溺れず、クールに作品世界を閉じる事によって

 宣伝臭を緩和させる幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「生真面目系犯罪捜査史入門」の

 一翼を担う作品であると言えるでしょう。

 「FBIに配慮しつつ、実在の犯罪&捜査過程を娯楽的に加工する」

 「状況設明台詞によって分かり易さ&効率性を高める」

 「暴力描写を抽象化しながら活劇性を生み出す」

 作劇法&映像技が冴え渡る本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。