映画に感謝を捧ぐ! 「魔術師」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はイングマール・ベルイマン監督の「魔術師」に

 感謝を捧げようと思います。

魔術師 ≪HDリマスター版≫ [DVD] - イングマール・ベルイマン
魔術師 ≪HDリマスター版≫ [DVD] - イングマール・ベルイマン

 魔術師一座と彼らを取り巻く人々の運命を描いた本作は

 妖気と文学性に彩られた群像劇であります。

 豪邸で繰り広げられる人間模様を通じて

 科学と神秘、男性心理と女性心理

 生と死の関係に迫るストーリーと

 怪奇映画風味溢れる演出が

 融合することによって生じる科学反応は

 私に「人生のブラック・ユーモア&サスペンス性」の一端と

 「文学要素と怪談要素による共同戦線」の一形態を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (万事解決のハッピー・エンドでありながら

 「神秘的存在」を装いながら生きる事を余儀なくされた

 男女の悲劇を感じさせる幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「空間限定型純文学映画」の雄と呼ぶにふさわしい

 作品であると言えるでしょう。

 サスペンス&ホラー的恐怖、愛憎劇的男女関係

 神秘&科学論の香り、陰鬱なるユーモアが

 濃厚且つクールに絡み合う本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。