映画に感謝を捧ぐ! 「ベベ・ドンジュについての真実」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はアンリ・ドコアン監督の
「ベベ・ドンジュについての真実」に感謝を捧げようと思います。
ジャン・ギャバンの世界 第3集 DVD10枚組 ACC-114 - ジャン・ギャバン, ダニエル・ダリュー, ミレーユ・バラン, マドレーヌ・ルノー, ギャビー・モルレー, マドレーヌ・ロバンソン, ダニエル・ダリュー, フランソワーズ・クリストフ, マルセル・ロメ, アンドレ・リュゲ, ジョセフィン・ベイカー, マックス・オフュルス, ジャン・グレミヨン, ジュリアン・デュヴィヴィエ, レイモン・ルーロー, ジョルジュ・ラコンブ, アンリ・ドコアン, クロード・エイマン, アナトール・リトヴァク, カーティス・バーンハート, マルク・アレグレ
ジョルジュ・シムノンの小説「ベベ・ドンジュの真相」を
もとにして作られた本作は
映画と小説の技法が交錯する夫婦劇であります。
ロマンスとサスペンス、記憶と現状、男性心理と女性心理
純文学性と大衆娯楽性が複雑に絡み合いながら進行する
ストーリー&演出、キャラクター造形は
私に「結婚と愛の関係」に対する一考察と
時系列操作の有効活用法と
夫婦関係に宿る心理戦要素の一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(要所となる部分を巧みに抽象化することによって
鑑賞者に「考えさせる」機会を提供する
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「純文学+技巧派愛憎劇」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。
状況説明的描写&暴力描写を極限まで抑制し
会話のアクションと回想描写を多用することによって
日常劇+文学的スリル&サスペンスに満ちた
夫婦関係を生成することに挑んだ本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。