映画に感謝を捧ぐ! 「彼奴は顔役だ!」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はラオール・ウォルシュ監督の
「彼奴は顔役だ!」に感謝を捧げようと思います。
彼奴は顔役だ! 特別版 [DVD] - ジェームズ・キャグニー, ハンフリー・ボガート, プリシラ・レーン, グラディス・ジョージ, ラオール・ウォルシュ, マーク・ヘリンジャー, ジェリー・ウォルド, リチャード・マコーレイ, ロバート・ロッセン, ジェームズ・キャグニー
元兵士「エディ・バートレット」と
彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は
教材性、娯楽性、凶暴性が絡み合う極道映画であります。
社会の無情さと運命の悪戯によって
密造酒業界の一員となった男たちの
栄枯盛衰を通じて
1920年代のアメリカを蝕む「病巣」に迫るストーリー
アクション・サスペンス・記録映像の手法を
状況に応じて使い分けていく演出
スター性とアウトロー性を兼ね備えた俳優&女優陣が
一体となる光景は
私に「社会と組織犯罪の関係」を映画的に表現する手法と
娯楽的サービス精神と歴史教材性&教訓劇性による
共同戦線の一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(作品の精神よりも「極道映画の法則」を優先させた邦題と
東洋的男気と西洋的気質&装飾の融合によって
凶暴性と哀愁を兼ね備えた
最終決着→幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「極道系1920年代アメリカ入門」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
J・キャグニー&H・ボガードの放つ西洋極道臭
躍動感と渋味を兼ね備えた映像技
記録映像的クールさに彩られた語り口によって
戦争の間接被害、権力者と犯罪者を結ぶ「悪の絆」
人間の本能に基づく行為の「根本」を分析せず
厳罰主義で解決しようとする事によって
「善意による法律が悪を繁栄させる」現象が発生する恐怖
極道社会に足を踏み入れた人間の宿命をえぐり出す本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。