映画に感謝を捧ぐ! 「鏡の中にある如く」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はイングマール・ベルイマン監督の
「鏡の中にある如く」に感謝を捧げようと思います。
鏡の中にある如く [DVD] - ハリエット・アンデション, イングマール・ベルイマン, イングマール・ベルイマン, アラン・エーケルンド, ハリエット・アンデション, グンナル・ビョーンストランド, マックス・フォン・シドー, ラルス・パッスガルド
孤島で夏を過ごす作家一族の運命を描いた本作は
スケール感と閉塞感が交錯する家族劇であります。
登場人物4人&+孤島の家とその周辺という
限定された状況下で
宗教+芸術論、ホラー、ホームドラマ、サスペンス
愛憎劇、ブラック・ユーモアが静かに絡み合う
ストーリー&演出、キャラクター造形は
私に「物理的制約による精神性の広がり」と
人間社会に潜む「狂気」が結集する世界を
暴力描写に依存することなく描くという試みの
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(不安の影を纏う「ヒロインの旅立ち」と
人情劇風味を感じさせる「父子の会話」という
奇妙な組み合わせによって形成された
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「空間限定型神秘系家族劇」の雄と
呼ぶにふさわしい作品であると言えるでしょう。
映画技法と舞台劇技法、愛と狂気、作家魂と父親魂
神の領域と人の領域が複雑且つ静かにせめぎ合う本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。