映画に感謝を捧ぐ! 「ミラノの奇跡」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はヴィットリオ・デ・シーカ監督の

 「ミラノの奇跡」に感謝を捧げようと思います。

ミラノの奇蹟 [DVD] - フランチェスコ・ゴリザーノ, ヴィットリオ・デ・シーカ, フランチェスコ・ゴリザーノ, エンマ・グラマティカ, パオロ・ストッパ, グリエルモ・ブラナーボ
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 キャベツ畑に捨てられた少年「トト」と

 彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は

 渋味と想像力に彩られた近代系おとぎ話であります。

 都会と荒野、人情と欲望、舞台技法と映画技法

 庶民的ムードとファンタジー性が

 軽やかに絡み合うストーリー&演出、キャラクター造形は

 私に「波瀾万丈の人生&人間社会の光と闇」を

 喜劇的に表現する手法と

 SF的映像技と日常劇的映像技による

 平和的共存の一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (資本主義的欲求から解放された人々の「旅立ち」を

 

 勇壮且つ穏やかに写し出す幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「イタリア流庶民派おとぎ話」の一翼を担う

 作品であると言えるでしょう。

 活劇性と喜劇性、現実感と浮世離れ感、娯楽性と風刺性

 見せ場主義と効率主義が独特のバランスで共存する本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。