映画に感謝を捧ぐ! 「大鴉(1935年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はルイ・フリードランダー監督の「大鴉(1935年版)」に
感謝を捧げようと思います。
大鴉 [DVD] - ベラ・ルゴシ, ボリス・カーロフ, レスター・マシューズ, ルイ・フリードランダー, ベラ・ルゴシ
エドガー・アラン・ポーの同名小説をもとにして
1935年に作られた本作は
静かなる技巧&舞台性に彩られた怪奇映画であります。
E・A・ポー作品の魅力と
美女への愛に取り憑かれたマッド・ドクターと
殺人犯の出会いによってもたらされた悲劇を
効率的且つ文学的に表現したストーリーと
人体破壊&特殊効果を抑制し
俳優陣の怪演&舞台&道具の持ち味を生かした
映像技によって怪奇恐怖を醸し出す演出が
一体となる光景は
私に「知性に溢れた狂気と野性的狂気の融合」が
もたらす科学反応と
怪奇作家に対する「愛情表現」の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(悪漢の最期を巧みに抽象化する事によって
残酷性と悲劇性を兼ね備えた「決着の付け方」と
なっている点も見逃せません。)
まさに「軽量級怪奇映画」の雄と呼ぶにふさわしい
作品であると言えるでしょう。
暇つぶし規模のスケール感&スピード感の中で
E・A・ポーが創造した哀しくも残酷な怪奇世界と
B・カーロフ&B・ルゴシのモンスター的存在力が
光り輝く本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。