映画に感謝を捧ぐ! 「狂恋・魔人ゴーゴル博士」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はカール・フロイント監督の「狂恋・魔人ゴーゴル博士」に

 感謝を捧げようと思います。

アメリカンホラーフィルム 狂恋:魔人ゴーゴル博士 [DVD] - ピーター・ローレ, フランシス・ドレイク, コリン・クライヴ, カール・フロイント
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 モーリス・ルナールの小説「オルロックの手」を

 もとにして1935年に作られた本作は

 多彩な感情と技法が交錯する怪奇映画であります。

 愛と憎しみ、医療技術と狂気、残酷趣味と上品さ

 サスペンス技法とホラー技法、見せ場主義と効率主義が

 複雑に絡み合うストーリー&演出、キャラクター造形は

 私に「人体破壊描写」に依存しない怪奇恐怖生成術と

 「自制なき愛情&技術」・「人格者の装飾を纏った狂人」の

 恐怖を映画的に表現する手法の

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (主演男優P・ローレの善悪入り乱れし怪演と

 護身術と殺人術、ハッピー・エンドと悲劇を

 表裏一体の存在として描いた幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「軽量級怪奇系恋愛劇」の歴史に輝く

 一作であると言えるでしょう。

 恋愛小説と犯罪+怪奇小説、映画風味と舞台劇風味

 マッド・ドクターの存在力&ヒロインの魅力がせめぎ合う本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。