映画に感謝を捧ぐ! 「いつか、きっと」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はオリヴィエ・ダアン監督の「いつか、きっと」に
感謝を捧げようと思います。
IVC BEST SELECTION いつか、きっと [DVD] - イザベル・ユペール, パスカル・グレゴリー, オリヴィエ・ダアン
ニースの一角で暮らす女性「シルヴィア」と
娘「ロランス」の運命を描いた本作は
人情と不人情、スリル&サスペンスと人情味
静かにがせめぎ合う道中劇であります。
サスペンス風に幕を開け
道中系ホームドラマへと転じるストーリー
回想描写&MTV的表現を多用しつつ
舞台となった街の持ち味を生かした演出
ヨーロッパ的渋味に彩られた俳優&女優陣が
一体となる光景は
私にサスペンス技法と人情劇技法による共同戦線と
時間と共にストーリーが穏健化していく現象の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(万事解決のハッピー・エンドを避けつつ
希望&癒しの香りを宿す幕切れと
なっている点も見逃せません。)
まさに「フランス流女系道中劇」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
素朴な風景、危うげな人間模様、技巧的な映像表現
謎解きの醍醐味が独特のバランスで共存する本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。