映画に感謝を捧ぐ! 「影なき男(1934年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はW・S・ヴァン・ダイクJr監督の
「影なき男(1934年版)」に感謝を捧げようと思います。
影なき男 [DVD] - ウィリアム・パウエル, マーナ・ロイ, モーリン・オサリヴァン, W・S・ヴァン・ダイク
ダシール・ハメットの同名小説をもとにして作られた
人気シリーズの1作目となる本作は
上品且つ皮肉なスリル&サスペンスとユーモアに
彩られた探偵映画であります。
探偵小説の王道を喜劇的に加工する事によって
生を受けたストーリー&演出、キャラクター造形が
軽やかに進行する光景は
私に、探偵小説に潜む「笑いの種子」の一端と
サスペンス性とコメディ性を兼ね備えた作劇法&映像技の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(主人公夫婦の愛犬「アスタ」の名演と
性的な部分を巧みに抽象化する技法が光る
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「探偵映画&犯罪喜劇入門」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
凶悪さ&欲深さと滑稽さの秘めたる近似性を世に示しつつ
探偵夫婦「ニック&ノラ」による捕物帖の幕開けを告げた本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。