映画に感謝を捧ぐ! 「大いなる夜」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジョセフ・ロージー監督の「大いなる夜」に
感謝を捧げようと思います。
大いなる夜 [DVD] - ジョン・ドリュー・バリモア, プレストン・フォスター, ハワード・セント・ジョン, ジョセフ・ロージー, ジョゼフ・ロージー, スタンリー・エリン, ジョン・ドリュー・バリモア
スタンリイ・エリンの小説「断崖」をもとにして作られた本作は
効率性、物語性、メッセージ性が
驚異的なバランスで並び立つ青春映画であります。
「約1日の出来事」という制約の中で
娯楽的スリル&サスペンス、ロマンス、人間模様
教訓劇的メッセージと
「主人公のトラウマを映像的に表現する」技法の
限りを尽くして進行するストーリー&演出は
私に「親子関係の複雑さ&夜という時間の魔性」を
映画的に表現する手法と
時間的制約によって物語的スケール感が
高まっていく現象の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(ホームドラマ的ハッピー・エンドと
犯罪映画的悲劇がクールに絡み合う
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「時間限定型青春映画」界の
貪欲にして堅実な強豪作であると言えるでしょう。
一夜の出来事を経て「大人」へと旅立つ少年の姿と
アメリカ社会を覆う「思想弾圧」に翻弄され
新天地を目指して旅立つJ・ロージー監督の姿が
重なっていく本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。